『太陽がいっぱい』
1960年、アラン・ドロン主演のフランスとイタリアの
合作のビカレスクサスペンス。
某靴専門誌の特集で服飾の各専門家が若い頃に
ファッションに感銘を受けた映画をいくつか紹介して
いるのですが私も10代の頃に観たこの映画を
あらためて観直してみました。
内容は割愛しますが当時、私の目を惹きつけたのは
モーリス・ロネ扮する悪友フィリップが着ていたスエードの
シャツや大きな革のバッグやトランクでした。
今見てもやはりそれらは魅力的で10代の頃から
たいして変わらない自分の嗜好に多少、複雑な思いが
しました。
(特に大きな革のバッグはバタラッシ社の
ミネルバボックススあたりで仕立てたら絶対、格好いい!
かなり大きいので用途を考えてしまいますが・・・)
しかし今回、一番私の目を惹きつけたのはフィリップの
金持ち友達(名前は全く覚えてません)の靴です。
アラン・ドロン扮するトムがその男をホテルの部屋で
殺害し死体を抱えて引きずるシーンで一瞬、
靴底が映るのですがそれがウェスト部のシェイプが
効いた実にいい形をしているのです。
これがビスポークシューズでなく当時のフランスの一般的な
既成靴だとしたら驚きです。60年代のフランスの
ドレスシューズの主流がグッドイヤー製法なのか
マッケイ製法なのかわかりませんがいずれにせよ
とてもエレガントなのです。
こういうところにやはりヨーロッパの底力を感じずには
いられません。
*興味を持たれた方、わざわざDVDを借りてきてチェック
することはお勧めしません。なぜならあまりにも一瞬で
はっきり確認できないと思います。